ウェルネス飲食・生活
健康増進普及月間に事業者が確認したい支援情報のイメージ
健康増進普及月間健康日本21食生活改善普及運動スマート・ライフ・プロジェクトウェルネス健康産業企業支援

― 健康日本21(第三次)・食生活改善普及運動・スマート・ライフ・プロジェクトを整理

毎年9月は、厚生労働省が実施する「健康増進普及月間」と「食生活改善普及運動」の期間です。

2026年度も9月1日から30日までの1か月間、健康づくりに関する普及啓発活動が全国で実施されています。厚生労働省の年間行事予定でも、両運動はいずれも9月の全国的な取組として位置付けられています。

健康関連企業や食品事業者にとって、この期間は単なる啓発キャンペーンではありません。

現在の国の健康政策がどの方向を重視しているのか、また企業・団体がどのような公式情報や支援ツールを利用できるのかを確認する機会でもあります。

本稿では、健康増進普及月間を起点に、食品、健康、ウェルネス関連事業者が確認しておきたい制度と公的な支援情報を整理します。

1.健康増進普及月間とは

厚生労働省は、生活習慣の改善や健康づくりへの理解を深め、実際の行動につなげることを目的として、毎年9月を「健康増進普及月間」としています。

2026年度の実施期間は、

2026年9月1日から9月30日まで

です。

今年度の統一標語は、

「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 良い睡眠 ~健康寿命の延伸~」

とされています。

運動、食事、禁煙、睡眠という複数の生活領域を横断的に扱っている点が特徴です。

また、厚生労働省は2026年9月1日の大臣会見で、全国の自治体が実施する約7,000件の関連イベントを検索できる特設ページを開設したことを公表しています。

2.基盤となっている「健康日本21(第三次)」

健康増進普及月間を理解するうえで、確認しておきたいのが「健康日本21(第三次)」です。

健康日本21(第三次)は、国民の健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指す国の健康づくり施策です。

厚生労働省では、個人の行動や健康状態の改善だけでなく、社会環境の質の向上も重要な柱として位置付けています。

これは、健康づくりを個人の努力だけに委ねるのではなく、

などが関わりながら、健康的な選択を行いやすい環境を整えるという考え方につながっています。

食品・健康・ウェルネス関連企業にとっては、自社の事業活動を国の健康政策と直接結びつける必要があるという意味ではありません。

一方で、商品開発、情報発信、職域での健康づくり、地域連携などを検討する際に、国の政策方向を把握しておくことは重要です。

3.2026年度の「食生活改善普及運動」

健康増進普及月間と同じ9月には、「食生活改善普及運動」も実施されています。

2026年度の重点テーマは、

「まずは毎日、あと一皿ずつ野菜と果物をプラス」

です。

また、健康日本21(第三次)の栄養・食生活分野では、

などが目標として掲げられています。

特に事業者にとって注目したいのは、厚生労働省が、食生活改善を進めるためには行政だけでなく企業や民間団体等の多様な主体の連携が重要であると明記している点です。

つまり、食生活改善普及運動は行政だけで完結する制度ではなく、企業や団体も一定の役割を持ち得る枠組みとして設計されています。

4.企業・団体はどのような形で関われるのか

2026年度の健康増進普及月間では、都道府県、市町村、関係団体などによる取組として、次のような活動が例示されています。

などです。

企業がこれらすべてを行う必要はありません。

重要なのは、自社の事業内容に応じて、

利用できる公的情報や既存の支援ツールがあるかを確認すること

です。

例えば食品企業であれば、食生活改善普及運動の情報を参考にした社内啓発や情報発信が考えられます。

ウェルネス企業であれば、運動、睡眠、食生活などを扱う際に、厚生労働省が公開している各種ガイドを参照できます。

5.「スマート・ライフ・プロジェクト」という企業参加型の仕組み

健康関連企業にとって、特に確認しておきたいのが厚生労働省の「スマート・ライフ・プロジェクト」です。

スマート・ライフ・プロジェクトは、

「健康寿命をのばそう!」

をスローガンに、国民の健康づくりを推進する国民運動です。

現在は、

などをテーマとして、参加企業・団体・自治体と連携しながら取組を進めています。

健康増進普及月間の実施要綱でも、スマート・ライフ・プロジェクトとの連携が明記されています。

このため、食品、健康、ウェルネス関連企業が公的な健康づくり活動への参加を検討する際には、まずスマート・ライフ・プロジェクトの制度内容や参加条件を確認することも一つの方法です。

6.2026年度は参画団体向けの情報発信も強化

2026年9月には、スマート・ライフ・プロジェクトを通じて、健康増進普及月間に関連した複数の取組が実施されています。

例えば9月7日には、参画団体向けに「健康寿命をのばそう」をテーマとした啓発動画の案内が公開されています。

また、9月1日には健康増進普及月間の記念企画として「健康日本大喜利グランプリ」も開始されています。

こうした企画そのものを企業が必ず利用する必要はありませんが、

国がどのような形で健康情報を社会へ伝えようとしているか

を確認する参考になります。

従来型のポスターだけでなく、SNS、動画、参加型企画など、健康啓発の方法も広がっています。

7.企業が利用できる公的ガイド

健康増進普及月間の実施要綱では、情報発信や活動にあたり、複数の厚生労働省資料を積極的に活用することが示されています。

代表的なものとして、

などがあります。

企業が健康情報を発信する際、毎回独自に健康情報を組み立てるのではなく、こうした公的ガイドを確認することで、現在の行政方針や標準的な考え方との整合性を確認しやすくなります。

特にウェルネス関連コンテンツでは、

「企業独自の説明」と「行政が示している一般的な健康情報」を分けて整理すること

が重要です。

8.食品・健康関連企業が確認しておきたい実務ポイント

健康増進普及月間や食生活改善普及運動を企業活動へ取り入れる場合、少なくとも次の点を確認しておくと整理しやすくなります。

企業向け確認リスト

9.「政策への参加」と「商品広告」は分けて考える

健康産業において特に注意したいのは、公的な健康施策への参加と、個別商品の販売促進を混同しないことです。

例えば、

「健康増進普及月間に賛同している」

「食生活改善に関する情報を発信している」

「スマート・ライフ・プロジェクトに参加している」

という企業活動は、それ自体が自社商品の機能性や健康効果を行政が認定していることを意味するものではありません。

健康食品、サプリメント、ウェルネス商品などを扱う企業では、

公的制度への参加・啓発活動

と

個別商品の広告・表示

を明確に分けて考えることが重要です。

行政の名称、ロゴ、啓発資料等を利用する場合も、それぞれの公式な利用条件を確認する必要があります。

10.9月だけで終わらせず、制度情報として継続的に確認する

健康増進普及月間は9月限定の取組ですが、その背景にある健康日本21(第三次)は中長期的な国の健康政策です。

食品、健康、ウェルネス産業では、

などのテーマが、今後の商品・サービス開発や情報発信にも関わってきます。

そのため企業にとっては、「9月のキャンペーン」としてだけでなく、

国の健康政策が今後どの方向へ進んでいるのかを確認する入口

として健康増進普及月間を活用することにも意味があります。

まとめ

2026年9月は、「健康増進普及月間」と「食生活改善普及運動」が同時に実施されています。

その背景には、健康日本21(第三次)が掲げる健康寿命の延伸、健康格差の縮小、そして社会環境の質の向上という考え方があります。

食品、健康、ウェルネス関連企業にとって重要なのは、これらを単なる啓発イベントとして見るのではなく、

を整理しておくことです。

日本健康産業促進協会では、今後も健康産業に関連する制度、政策、公的支援情報について、事業者が確認しやすい形で整理してまいります。

※本記事は2026年9月21日時点の公表情報をもとに、事業者向けの一般的な制度情報として整理したものです。各制度への参加条件、名称・ロゴ・啓発資材等の利用条件については、必ず最新の公式情報をご確認ください。

関連する公的情報

記事一覧へ戻る
↑ TOP