機能性素材
食品開発展2026を前に考える機能性素材の商品化のイメージ
食品開発展2026機能性素材健康食品サプリメントOEM発酵素材商品開発原料選定

― 新素材・発酵素材を「見つける」だけで終わらせないOEM開発の視点

2026年10月14日から16日まで、東京ビッグサイトで「食品開発展2026」が開催されます。

今年はHi Japan、FiT Japan、S-tec Japan、LL Japanの4展で構成され、1,100小間、約40,000人の来場が予定されています。健康素材だけでなく、味・香り、分析・品質管理、製造技術、保存技術まで、食品開発に関わる幅広い技術が集まる専門展示会です。

なかでも健康食品やサプリメントの商品開発に携わる企業にとって中心となるのが、機能性素材・健康素材を集めたHi Japanです。

Hi Japanには、食品、飲料、菓子、サプリメントなどに利用される新素材や注目素材が国内外から集まり、素材メーカーと商品開発側が直接情報交換できる場となっています。

ただし、展示会で「面白い素材を見つけること」と、「実際に商品として成立させること」は同じではありません。

機能性素材の商品化では、素材のストーリーだけでなく、

エビデンス、規格、配合量、製剤化、安定性、品質管理、表示、コスト、OEM対応

までを一つの流れとして確認する必要があります。

本稿では食品開発展2026を前に、健康食品・サプリメントの商品開発という観点から、機能性素材を見る際に確認したいポイントを整理します。

1.まず見るべきは「何に良い素材か」だけではない

機能性素材の紹介では、

「睡眠」

「美容」

「腸内環境」

「運動」

「ストレス」

「アイケア」

など、分かりやすい機能性が前面に出ることが多くあります。

しかし、B2Bの商品開発では、その一歩先まで確認する必要があります。

例えば、

といった点です。

つまり、

「面白い機能性がある」

から

「商品設計に落とし込める」

までには、いくつもの確認工程があります。

展示会では最初から効能だけを見るのではなく、規格書、試験データ、推奨配合量などの商品化に必要な情報がどこまで準備されているかを見ることが重要です。

2.エビデンスは「ある・ない」だけで判断しない

現在、多くの機能性素材で研究論文や臨床試験データが用意されています。

しかし、商品開発では単に、

「論文があります」

というだけでは十分ではありません。

確認したいのは、

といった内容です。

たとえば研究上は1日1,000mgを使用している素材でも、実際の商品設計では1日3粒のカプセルに収めたいという場合があります。

理論上魅力的な素材でも、必要量を実際の剤形へ配合できなければ、商品設計を変更する必要があります。

そのため、研究データを見る際にも、

研究結果 → 必要配合量 → 剤形 → 原価

まで一緒に確認することが重要です。

3.2026年は「発酵素材」にも注目

食品開発展2026では、新たに「発酵素材パビリオン」が設けられます。

公式案内では、

などが出展対象として挙げられています。

発酵素材というと、乳酸菌や麹など従来から利用されてきた素材を想像しがちですが、現在は発酵技術そのものを利用した新素材開発も広がっています。

今年のパビリオンでは、精密発酵によるラクトフェリンや、麹菌由来素材なども紹介予定です。10月15日には農研機構による「乳酸菌・麹菌を活用した発酵技術開発と発酵微生物の社会実装課題」をテーマとしたシンポジウムも予定されています。

機能性素材という観点では、

「どの菌を使っているか」

だけでなく、

「その発酵によって何が生成されるのか」

まで見る必要があります。

同じ発酵素材でも、菌株、基質、培養条件、製造方法によって成分構成が異なる可能性があります。

そのため、商品採用時には素材名だけではなく、製造工程や規格まで確認することが重要になります。

4.原料規格を確認すると商品化の可能性が見えてくる

展示会で気になる素材を見つけた場合は、まず原料規格を確認しましょう。

例えば、

などです。

特に健康食品の場合、原料そのものの品質だけでなく、

ロットごとに一定の規格を維持できるか

という点が非常に重要です。

研究データが優れていても、実際に供給される原料で指標成分が安定しなければ、長期的な商品供給が難しくなる可能性があります。

原料採用は研究資料だけでなく、品質保証体制とセットで判断する必要があります。

5.剤形との相性を早い段階で確認する

機能性素材の商品化では、素材そのものだけでなく、どの剤形にするかも重要です。

例えば、

では、配合できる量や加工条件が大きく異なります。

また、

なども製造性に影響します。

例えば、素材単体では問題がなくても、配合量が増えることで打錠性が低下したり、カプセルに必要量が入らなかったり、粉末商品では味や臭いが強く出たりすることがあります。

そのため、原料メーカーとの商談では、

「この素材は何に良いですか」

だけでなく、

「どの剤形で、どの程度まで配合できますか」

という質問も非常に重要です。

6.OEM対応の有無も素材選定の重要な判断材料

食品開発展2026では、機能性素材だけでなく受託製造企業も多く集まります。

Hi Japan自体も、素材メーカーと受託製造企業双方のビジネス機会を目的とした展示会として位置付けられています。

商品化を前提とする場合、

原料会社 → OEM工場 → ブランド企業

の三者がスムーズに連携できることが重要です。

原料メーカーが優れた素材を持っていても、OEM工場での使用経験がない場合には、試作や製造条件の確認が必要になります。

逆に、OEM工場ですでに採用実績がある素材であれば、製造条件や配合上の注意点について蓄積された知見を利用できる場合があります。

展示会では、

などを確認しておくと、その後の商品開発を進めやすくなります。

7.品質技術まで見ると「素材選び」の精度が上がる

食品開発展2026の特徴は、健康素材だけを見る展示会ではない点です。

S-tec Japanでは、分析・計測、衛生、食品製造技術などが扱われます。

またLL Japanでは、日持ち向上や鮮度保持技術などが紹介されます。

健康食品開発でも、

素材 → 製造 → 分析 → 品質保証

は分けて考えることができません。

たとえば機能性素材を採用した場合でも、

「最終商品に本当に必要量入っているのか」

「保存期間中も成分が維持されるのか」

「どの分析方法で管理するのか」

という確認が必要になる場合があります。

展示会で素材を見る際には、同時に分析・製造技術まで確認すると、商品化後に必要となる品質管理をより具体的にイメージできます。

8.海外原料では日本での使用可否を先に確認する

食品開発展には海外企業も参加します。

Hi Japanは、アジアを中心に海外からの来場者・出展者も集まる機能性素材の専門展示会として位置付けられています。

海外では一般的に食品として利用されている素材でも、日本で同じ条件で使用できるとは限りません。

海外原料を採用する場合には、

などを商品開発の早い段階で確認しておく必要があります。

特に海外原料では、

「良い素材を見つけてから法規を調べる」

よりも、

「日本で商品化可能かを確認しながら素材を評価する」

方が、後の手戻りを減らしやすくなります。

9.展示会で確認したい機能性素材チェックリスト

食品開発展2026で新しい素材を探す際には、次の項目を確認しておくと、その後の商品化検討が進めやすくなります。

素材・エビデンス

品質

商品化

商流

一度の商談ですべて確認する必要はありません。

ただし、

「機能性」「品質」「製造」「商流」

の4方向から素材を見ることで、展示会後に採用候補を絞りやすくなります。

まとめ

食品開発展2026では、多くの新しい健康素材、機能性素材、発酵素材に触れる機会があります。

一方で、商品開発において重要なのは、新しい素材を見つけることそのものではありません。

まで確認して初めて、素材は「商品候補」になります。

特に今年は、発酵素材パビリオンや発酵技術に関するシンポジウムなど、従来の健康素材だけではなく、新しい製造技術から生まれる素材にも注目が集まっています。

素材探索だけでなく、原料規格の確認、処方設計、OEM工場との調整、試作、品質資料、表示、輸出入までを一連の商品開発として整理することが重要です。

食品開発展のような機会を、新しい素材との出会いだけで終わらせず、実際の商品開発へつなげていくことが重要です。

※本記事は2026年9月24日時点で公開されている食品開発展2026の公式情報等をもとに、食品・健康関連事業者向けの一般的な実務情報として整理したものです。出展内容、セミナー、開催情報等は今後変更される場合があります。最新情報は主催者の公式サイトをご確認ください。

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